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アントレプレナーシップとは?育成側・起業家側双方の視点から必要なものを解説

更新日:9月26日


アントレプレナーシップとは、起業家として備えておくべき能力のことで、新規事業を立ち上げたり、困難に対峙した際に真価を発揮します。近年日本でも、企業や教育現場でアントレプレナーシップを育成する動きがあり、起業家として活動する人も増えています。この記事では、起業家を育成する側・起業家になる側双方にとって必要なことを紹介します。

起業を考えている人であれば「アントレプレナーシップ」という言葉を聞いたことがあるでしょう。起業家精神ともいわれますが、詳しく知らない人も多いと思います。


この記事では、いま何故アントレプレナーシップが必要なのか詳しく解説します。


本記事を読むことでアントレプレナーシップを発揮できる起業家が求められる理由や必要とされる資質について知ることができます。


アントレプレナーシップとは


アントレプレナーシップとは、新しい事業を立ち上げるアントレプレナー(起業家)が備えておくべき能力のことを指します。


海外では既にアントレプレナーシップの重要性が認知されており、大学などの教育機関で積極的にアントレプレナーシップ教育が行われています。


近年日本でも企業や教育現場などでアントレプレナーシップに関する学びの場が増えており、起業家を育成する風土ができつつあります。


アントレプレナーシップが求められる理由


なぜ今アントレプレナーシップが求められているでしょうか。そこには我が国の労働環境の変化や社会情勢の変化などが深く関係しています。


アントレプレナーシップが求められる具体的な背景についてみていきましょう。


雇用形態の変化


従来日本では終身雇用制度のもと年功序列で給与を決める雇用制度が一般的でした。しかし近年は多くの企業が従来制度から成果主義型へシフトしています。


昨今は仕事の成果や個人の能力が昇進や給与に反映される傾向にあるようです。自らが考え率先して物事を遂行できる能力を求める時代になったと言えます。


グローバル経済の進展


経済のグローバル化により、日本の経済は海外の政治や社会情勢といった外部からの影響を受けやすくなりました。近年の半導体の供給不足などが代表的です。


不確実性の高い世の中になったと言えます。不確実性が高まるにつれて、困難な局面を打開できるアントレプレナーシップに長けた人材が必要となるでしょう。


企業のイノベーション創出


現代はモノからコトの時代になったと言われるように、消費者の価値観やニーズが多様化しています。企業が社会から求められる役割も大きく変化しました。


企業には新たな価値を生むイノベーションの創出が期待されており、それを担う人材育成の観点からアントレプレナーシップが注目されています。


コロナ後の不確実な時代への対応


新型コロナウィルスの世界的流行は人々の生活様式や価値観を一変させました。コロナ後の世界をいまだ見通せない状況にあると言えます。


コロナ後の不確実な時代には、思考力や決断力に優れた人材が求められます。このような能力こそアントレプレナーシップの育成により発揮されるのです。


アントレプレナーシップ発揮に必要な資質


アントレプレナーシップが求められる背景についてはご理解いただけたと思います。


ここからは、アントレプレナーシップを発揮するためには具体的にどのような資質が必要なのか見ていくことにしましょう。


マネジメント力


マネジメント力は、人や仕事を適切に管理して組織をあるべき方向に運営していく能力です。目標が立派でも、組織が機能しなければ良い結果に繋がりません。


イノベーションの創出や問題解決の成否には組織力が影響します。組織を動かすマネジメントの能力はアントレプレナーシップの発揮に重要な資質の1つです。


リーダーシップ


組織の運営には、目標達成のためにメンバーをまとめ上げる強いリーダーシップが必要です。個々の能力は、組織の中で活かしてこそ成果に繋がります。


リーダーシップは、組織としての結束力を高め、1つの目標に向けて仕事を推進させる能力であり、アントレプレナーとして持つべき資質と言えるでしょう。


クリエイティビティ


クリエイティビティは、新しい発想を生み出しそれを具現化できる能力です。


商品ライフサイクルが短命化する世の中では、常に新しいものが求められます。


アイディアを単なる発想で終わらせず、最終的なアウトプットまで考えながら仕事を遂行する能力は、アントレプレナーシップの発揮に不可欠な要素です。


コミュニケーション力


仕事を円滑に進めるために欠かせないのが、相手との意思疎通を図るためのコミュニケーション力です。仕事の成否を決める大事な要素と言えます。


アントレプレナーにとってビジネスパートナーとの信頼関係の構築は重要であり、そのためには相手の立場や考え方を理解したコミュニケーションが求められます。


ポジティブシンキング


ポジティブシンキングは、困難な局面でも諦めず解決策を見出そうとする、物事を前向きに捉える能力です。ビジネスを成功させるために欠かせない資質の1つです。


ビジネスの現場において問題発生はつきものです。問題をネガティブにとらえず、目標実現に向けて動き出すマインドがアントレプレナーシップの発揮には重要でしょう。


課題解決力


課題解決力は、発生した問題事象を分析して真の原因(真因)を抽出し、真因から得られる課題を解決するための手段を導く能力であり、重要な資質です。


問題を正しく解決できなければ再発に繋がります。問題の本質を正確に捉えて解決を図る力は、アントレプレナーとして持つべき要素と言えます。


アントレプレナーシップが発揮された事例


アントレプレナーシップに必要な資質は分かったけれども、具体的に何をやるのか分からないと思う人もいることでしょう。


ここでは実際にアントレプレナーシップが発揮された3つ事例を紹介します。


大企業


近年大企業では社内ベンチャー制度の設置など起業家人材の育成に力を入れています。一例として、株式会社リクルートマーケティングパートナーズを取り上げます。


同社はリクルート社内の新規事業コンテストを経て2012年に誕生した社内ベンチャー企業です。オンライン学習ツール「スタディサプリ」など事業展開で有名です。


現在は株式会社リクルートに吸収合併され一事業として継続していますが、大企業におけるアントレプレナーシップの成功事例として知られています。


リクルートでは、現在でも前述の事業コンテストを通じて起業家人材の育成に力を入れています。


ベンチャー企業


アントレプレナーシップが発揮された代表的なベンチャー企業の事例として、株式会社サイバーエージェントを取り上げます。


同社は1998年に人材派遣会社(現パーソルグループ)に勤務していた藤田晋氏により、「21世紀代表する会社を創る」というビジョンのもとで設立されています。


新しい未来のテレビ「ABEMA」やブログサービス「Ameba」などのサービスの提供の他、インターネット広告事業やゲーム事業などを展開しており、現在では国内を代表するIT企業へと成長しています。


連続起業家


新しい事業の立ち上げを繰り返す「連続起業家」は、アントレプレナーシップを発揮する代表例とも言えます。ここでは2人の連続起業家を取り上げます。


1人目はフリマアプリ「メルカリ」の創業者である山田進太郎氏です。


同氏は2001年に写真・動画共有サイトやソーシャルゲームを提供するウノウ株式会社を立ち上げ、その後2013年に株式会社メルカリを創業しています。


2人目は女性起業家として活躍する平野未来氏です。


同氏は大学在学中の2006年にシステム開発などを行う株式会社ネイキッドテクノロジーを共同創業し、2013年にはAIを開発する株式会社シナモンを立ち上げています。


アントレプレナーを育成するために心がけるべきこと


ここまでは起業家を目指す側からみたアントレプレナーシップについて説明してきました。


この章では起業家(アントレプレナー)を育成する立場から、育成において心がけるべきポイントについて紹介します。


否定しない


アントレプレナーは未知の世界を切り拓く挑戦者であるので、チャレンジを否定しないことが重要です。


否定する意見は本人のやる気やモチベーションを削ぐことになり、大事なイノベーション創出の芽を摘むことになりかねません。


当初は事業アイディアが未熟であったとしても、議論を重ねることで実現可能性が高まる場合があります。



発想されるアイディアを肯定的にとらえ、実現に向けたサポートを行うことが望ましい対応と言えます。


失敗に寛容になる


「失敗は成功の基」と言われるように、失敗から学べることは多くあります。育成者は、意義のある失敗には寛容になるマインドを持つことを心がけましょう。


名の通った起業家であっても、多くの場合は失敗を繰り返しながら事業を成功へと導いています。重要なのは、失敗を次のステップに活かすことです。


失敗の要因を考え、次に同じ失敗をしないように軌道修正を図ることで、正しい方向に進めるように支援することが重要です。


既存事業にとらわれない


新しい価値、特にイノベーションを創出するためには、既存事業にとらわれないことが重要です。育成する側にとって重要なマインドの1つです。


育成側が既成事業を基準に物事を考えてしまうと、新しい事業アイディアを正しく評価できないおそれがあります。


不確実性が高まる世の中で社会課題を解決する事業を生み出すアントレプレナーを育成するためには、既成概念にとらわれない起業家マインドを醸成できる環境づくりが重要となるでしょう。


裁量権を持たせる


起業家として自らが考えて行動するマインドを醸成させるために、ある程度の裁量権を持たせることを心がけましょう。


裁量権を与えずに制約を設けすぎてしまうと、自らが判断する機会が失われモチベーションの低下を招くおそれがあります。


裁量権を持たせることで、仕事に対する本気度や責任感を高めることが期待できます。その結果アントレプレナーシップの能力を高めることにつながるでしょう。


まとめ


世の中を変えるイノベーションの創出には優れた起業家の輩出が不可欠です。そのためには優れたアントレプレナーシップは発揮する人材を増やすことが重要です。


アントレプレナーシップを発揮するためには、組織をまとめ上げるマネジメント力やリーダーシップの他、コミュニケーション力、課題解決力などの資質が求められます。


起業家を目指す人は、さまざまな困難にも立ち向かい乗り越えられるアントレプレナーシップの能力を高める努力が必要です。


一方起業家を育成する側には、失敗に寛容になることや既存事業にとらわれないなど、イノベーション創出に挑める経営者候補を育てるという視点で育成活動を行っていくことが求められます。

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